皆様、こんにちは。

福岡市中央区六本松駅近くの形成外科・美容皮膚科「六本松 稲本クリニック」です。

少しずつ周囲の方々からのお問い合わせも増えてきており、

日によっては予約でいっぱいの日もあり、感謝の気持ちでいっぱいです。

年末はたくさんの方に来院いただき、本当に感謝でいっぱいの一年になりました。

今年もコロナに負けないよう、若さを保ちつつ

健康に過ごすための情報と医療を提供していきたいと思います。

 

さて本題ですが、コロナ自粛中に読み貯めた本の中から、

 

「医師が実践する 超・食事術:稲島 司著 冬樹舎 2018年」

 

という書籍をご紹介させていただきます。

※ 以下実践できそうな内容を、要点を絞って記載していきますが、

2年前の内容であることと、僕の偏った解釈と抜粋であるため、

それをご理解の上、ご興味がございましたら書籍の一読をお勧めいたします。

まず、海外の企業では「喫煙習慣・肥満体形・歯並びの悪さ」

が仕事ができない要素と判断され、就職に不利とされています。

その理由としては

・喫煙・肥満は様々な疾患のリスクを上げ、病気休暇が増える

・歯並びが悪いのは交渉時の印象に不利である

つまり、自己のコントロールや自己投資が不十分な人間は

ビジネスや健康面ににおいても管理能力が低いとみなされるわけです。

 

なかでも最近第4の要素として

「肌荒れ」

が注目されるのではないかと著者は考えています。

最近では「見た目」が老化の指標として採用されていますし、

肌の質は食事や生活習慣、内臓疾患などと深くかかわっているからです。

 

つまり、

いくら医療機器や化粧品をこだわっても、

365日の食事内容で肌質は簡単に変わってしまう

ということを伝えたいわけです。

実際糖質の多い食事を摂取した翌日は、吹き出物がちらほらと増えることを実感しますね。

さて、ここからは各論として本の内容をまとめてまいります。

1.小麦について

小麦粉による不調は、グルテン不耐症や小麦アレルギー、セリアック病などに大きく分類され、

腸内細菌への影響や皮膚症状に大きく関連している。

特に「精製した小麦粉」は血糖値の急上昇を引き起こすため、控えることが勧められる。

筆者は基本的にパン食や小麦粉の含まれた食事は控えている。

もし、小麦に限らず食後に不調を感じるような疑わしい食事がある場合は、

2週間ほど摂取を控えてみて、改善するかを評価すべきである。

 

2.糖質制限について

結論から言うと、1日に必要な糖質の量は、おにぎり1個(1膳弱)で十分である。

ダイエットには脂肪を減らすより糖質を減らすほうが効率的である。

ただ、減らしすぎると脂肪だけでなくタンパク質も分解されるため、

全くとらないのは危険であり、死亡率の上昇も報告されている。

日本人は倹約遺伝子を有しており、欧米人と比較して少ない摂取量で太りやすく、

糖尿病も発症しやすい。

とくに過剰な糖質は内臓脂肪を増やし、善玉のアディポネクチンを減少させ、

糖尿病や脳・心筋梗塞のリスクを上昇させる。

また関節の痛みなどにも関連している。

 

3.コレステロールについて

コレステロールはホルモンの材料であり、すべでの種類が悪いわけではない。

比重の低いコレステロールが悪玉といわれる。

食物中のコレステロール量と血中のコレステロール値はあまり関係がない。

悪玉を増やす飽和脂肪酸(脂身の多い肉、バター、ラード、ココナッツオイル)

の摂取を控えるべきである。

悪玉を減らすには多価不飽和脂肪酸(植物油や魚油に多い)、食物繊維を摂取すべきである。

スタチンは「将来のリスク」を下げる薬であり、75歳以上はメリットの評価がまだ不十分である。

高齢者は低栄養が懸念されるため、肉などのタンパク質は積極的に摂取すべきである。

 

4.体に良い、悪い油について

実は、魚に含まれるEPAやDHAの効果(心血管イベントを減少させる)

を立証する明確なエビデンスはない。

だが、成分としてこだわるのではなく、

これらを含む魚を積極的に摂取することはメリットである可能性は高い。

積極的にとるべき油は「オリーブオイル」である。

えごま油やアマニ油はまだ臨床結果が少なく、良いと明言はできない。

トランス脂肪酸であるマーガリン、ショートニング、コーヒーフレッシュは控えるべきである。

植物油が良いわけではなく、パーム油(ヤシ)や美容によいとされるココナッツ油は、

積極的に摂るべき油ではない。

油は酸化してAGEが増えるため、「生」での摂取を強く推奨する。

5.抗加齢食の基本(腹6分目が大事)

・地中海食(魚介、豆、果物が多く、肉や乳製品は少ない)+ナッツやオリーブオイル

 ※和食はこれに近く、米の量や塩分を控えれば理想的な内容に近くなるとされます。

・朝たっぷりの野菜(ボウル1杯)とナッツをオリーブオイルで食べると、

 昼夕はそこまで気にしなくてよい(社会人の外食や飲み会は避けられないもの)。

 がんを防ぐアブラナ科の野菜(ピリッとするイソチアネートががんを防ぐ)

(大根、キャベツ、ブロッコリー、チンゲン菜、カブ、水菜、ルッコラ、ワサビなど)

 を摂取する。肺がんや乳癌のリスクが下がるとされる。

 緑黄色野菜(人参、カボチャなどのカロテンの多い野菜)は胃がんのリスクを下げる。

 野菜を最初に食べると、野菜をたくさん食べる癖がつきます。

 果糖と果物は別物と考えたほうが良い。

・赤肉(牛肉や豚肉)は大腸がんのリスクを上げるので、たまの楽しみにする。

 お肉なら白肉(鶏や鴨)を推奨する。

・魚と大豆はがんや認知症予防となる

 大豆製品で前立腺がん、乳癌、糖尿病の発症リスクを下げる報告がある。

 ただ、イソフラボン単体での効果は不明瞭である。

・料理に塩分は不要と考える

 もともと食物は細胞でできており、十分なナトリウムが含まれている。

 食物からだけでも約3.0gの塩分を摂取しているとの報告もあり、一切取らなくても良い。

 納豆のたれも全部は使わない。

・からだをAGEから守る調理法は、「煮る・ゆでる・蒸す」

 AGEは過熱による褐変反応で上昇し、血管へのダメージやコラーゲンの糖化による

 骨強度の低下と骨粗鬆症、シミやしわ、たるみの原因となる。

 さらに高血糖は体内でのAGE生産を加速させ、炒める・揚げるといった調理法では

 さらに上昇し、フライドポテトではゆでるより40倍の量となる。

 調理は煮る・ゆでる・蒸すがよいが、さらに酢やレモンなどの酸味と組み合わせると、

 よりAGEの生成を抑えることができる。

・サプリメントは単独成分での実験や動物実験が多く、

 人間での効果ははっきりしないことが多い。過剰摂取のリスクもある。

実はこの先にも面白い内容がたくさん載っていますが、結構ショッキングな内容もありますので、

気になる方はご自身で購入して読んでみてください。

美肌と抗加齢への食事についての結論は

「日々の食生活を大事にして、効果が不明瞭なサプリには頼らない」

といったことが言えるかもしれません。

 

これからも地域に根差した、形成外科、美容皮膚科の

信頼性のある治療を提供してまいりたいと思いますので、

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

六本松稲本クリニック

院長 稲本 和也