皆様、こんにちは。
福岡市中央区六本松駅近くの形成外科・美容皮膚科「医療法人 本和会 六本松 稲本クリニック」です。
少しずつ近隣や県外の方々からのお問い合わせも増えてきており、感謝の気持ちでいっぱいです。

1月もすでに予約で埋まってきており、大変申し訳ございません。
時間をやりくりして、今後も少しでも多くの方々のお役に立てるよう努力してまいります。

開業からすでに千人人以上の方へ、数十万回以上レーザー・光治療をさせていただきました。
脱毛以外は、基本的に僕一人が照射(ワンドクター制)ですので、集中しすぎて結構へとへとになります。
シミ治療は趣味なのでとても楽しいですが、治療効果が出にくい方も少なからずいらっしゃるため、
試行錯誤の日々を過ごしております。
本当にシミ治療は奥が深いです。

さて本題ですが、コロナウイルス感染症も増減を繰り返しており、「まだまだマスク生活が長引きそう」、ということで

マスク着用による肌トラブルのメカニズムとは?!

といった内容でまとめてみました!!

まず大きな原因をまとめると

・マスク内の温度、湿度の上昇による皮膚温の上昇

・皮膚のバリア機能の低下

・経表皮水分蒸散量や皮脂分泌量の増加による細菌叢の変化

・摩擦などの機械的刺激による炎症

といったことが考えられます。

では以下で詳細な内容を検討してまいります。

1.まず、皮膚の症状として、吹き出物、にきび、赤み、かさつきが多いとされます。

客観的なデータとしては、マスクの着用前後で、被覆部の皮膚温の上昇、紅斑の増加と水分量の減少、顔面全体の皮脂分泌量の増加が認められます。

また、炎症の原因として、摩擦、蒸れ、皮脂、pHの変化が考えられます。

つまり、様々な原因により、皮膚のバリア機能が低下している状態にあります。

よって対策としては、バリア機能を高めるための、適度な保湿、洗顔、摩擦の回避、抗炎症作用のあるスキンケアが重要となります。

2.また、気になる赤みの原因ですが、皮脂の増加による脂漏性皮膚炎と乾燥による炎症の赤みと考えられ、皮脂のコントロールと高温多湿からの水分の蒸散による乾燥に対する保湿が重要となります。

以下、皮膚炎の原因についてチャートでまとめてみます。

・摩擦:バリア機能低下⇒敏感肌 軽微な傷⇒角質肥厚 毛穴の閉塞⇒面皰

・蒸れ:湿度上昇⇒過剰保湿状態⇒経表皮水分蒸散量上昇⇒バリア機能低下⇒敏感肌

・皮脂:皮膚温上昇⇒皮脂分泌量の増加⇒炎症

・pH:汗⇒pH上昇⇒常在細菌叢の乱れ

3.次に皮膚温と湿度上昇からの乾燥と皮脂増加によるバリア機能の低下です。

まず、皮膚の乾燥ですが、皮膚温と湿度の上昇により、蒸れた状態からマスクを外した時の急激な高湿度から低湿度への変化により、過剰に水分が蒸散してしまうことが考えられます。

また、皮膚温の上昇から皮脂の増加が生じ、ざ瘡や脂漏性湿疹が悪化します。

4.マスク着用部位以外の皮膚状態の悪化

以外と思われますが、実はマスク被覆部以外にも皮膚トラブルが生じます。

皮膚温が1度上昇すると、顔面全体の皮脂分泌が10%上昇し、前額部にも面皰が多発します。また、マスクによる摩擦と閉鎖環境から、毛包への刺激、閉塞、細菌叢の異常が生じ、炎症性ざ瘡が増加します。

こういったざ瘡にはざ瘡治療薬では刺激が強く出てしまうこともあり、むしろ保湿剤でのスキンケアで十分なこともあります。

そこで当院では、保険での保湿剤の処方や、抗炎症作用のあるトラネキサム酸、セラミド配合の化粧水などを準備しております。

一度試してみてはいかがでしょうか?

これからも地域に根差した、
形成外科、美容皮膚科の信頼性のある治療を提供してまいりたいと思いますので、
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

医療法人 本和会 六本松稲本クリニック
院長 稲本 和也